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梅のサイズと等級について

<梅の等級とサイズ>

日本一の梅の産地である和歌山県の紀南地方では、5月の下旬よりいよいよ梅の収穫期が訪れます。弊社の梅干に使う完熟の南高梅は熟して自然落下した果実で、鳥や虫に食われてしまうものが多くなってしまうためにその日のうちに収穫、選別、塩漬けをします。今回は収穫された梅をどのように選別するのか、またその選別基準をご紹介したいと思います。

<梅のサイズ>

収穫した青梅を写真のような通称「ドラム」と呼ばれる器具で直径ごとに分けていきます。それぞれのドラムには直径の異なる穴が開いており、上から収穫した梅を流すと上の方から、ドラムの穴を通る大きさの梅が下のかごに落ちて、選別できる仕組みです。

 

青梅の段階で、以下のサイズの基準で分けられます。

S=2.7cm〜3.0cm未満
M=3.0cm〜3.3cm未満
L=3.3cm〜3.7cm未満
2L=3.7cm〜4.1cm未満
3L=4.1cm〜4.5cm未満
4L=4.5cm〜4.9cm未満 ※梅の段階で選別するおおよその基準です。

 

以上のように大雑把に選別した青梅は、次に塩漬けされ、数か月後に天日干しされて「梅干」となります。梅干になると青梅の状態から水分が抜けた状態となるため、実は縮んでしまいす。以下は梅干の状態での一粒当たりの重さが目安となります。

小梅=3〜5g未満

S=7g未満
M=7g〜10g未満
L=10g〜14g未満
2L=14g〜19g未満
3L=19g〜25g未満
4L=25g〜32g未満

<梅の等級>

梅の等級はA級、B級、C級、格外 に分けられます。この等級によって梅干の価格が決まってきますから非常に大事なものになります。

等級 選別要領
A級 ・黒星病・かいよう病の斑点、および傷害のないもの《無傷》

・皮肌は適度に柔らかく粒ぞろいの良好なもの
・階級表示は5L~Sまで区分けする

B級 ・黒星病・かいよう病の斑点(直径2mm以下)が3個以内の軽微なもの、および軽微な傷害果 (大きな斑点はC級とする)
・皮肌は適度に柔らかく粒ぞろいの良好なもの
・階級表示は5L~Sまで区分けする
(注)皮の堅いもの、及びヤニ果、シコリ果、虫害果は除く。
C級 ・黒星病・かいよう病の斑点(直径5mm以下)が20%までのもの
・階級表示は5L~Sまで区分けする
(注)虫害果、腐敗果、ガリ果は除く。
格外 ・外  ・・・斑点が多いもの、果肉が未熟で堅いもの
・切れ ・・・皮の破れたもの
・ガリ ・・・果肉が無く堅いもの
(注)外、切れ、ガリは別々にタル詰めをする。但し、ツブシにする場合は外と切れは混合でも可。

このように天日干しが終わった梅干はサイズと等級で厳しく選別され、10kgの樽に産地・サイズ・等級・生産者などの情報が記されたシールを貼って保管されます。その情報のおかげで、選別をしっかり行う生産者さんもわかる仕組みとなってます。梅の選別は手作業で行われ、我々の販売している梅干の価値や味を大きく左右する点でとても重要です。もちろん手作業で行っているため多少の誤差もありますが、少しでも良い梅を皆さんにお届けするために等級やサイズの管理には我々も含めて、どこの梅干屋も大変気を付けております。

いかがでしょうか?梅林堂の梅干は主にA級で2L〜4L(商品によって違います)の大粒な梅を使用しております。漬け方や調味の味ももちろん大切ですが、やはり梅自体の品質は最も重要だと考えております。梅も他のフルーツや野菜と同様に厳しい基準や規格があって、梅農家さんは少しでも高値で売れる良い梅を多く収穫できるように日々、努力をしております。近年、梅干の値段も上がっており我々としては心苦しく思うこともありますが、適正な価格で高品質な梅干をご提供できるように今後も頑張っていきたいと存じます。

 

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