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梅干しの豆知識 |お弁当に梅干しを入れる理由

一足早い梅雨明けと猛暑の下、体調管理が難しい季節となってきました。
気温や湿度の高い夏は特に、食品も傷みやすくなり、食中毒も心配な季節です。
そんな中、梅干しには夏バテ予防や、食品を傷みにくくしてくれる嬉しい効果があることをご存知ですか?
今回はちょっとした豆知識としてまとめてみました。ぜひ役立ててみてください。

梅干しには殺菌効果がある?

梅干しの殺菌効果を知っている方も多いかもしれませんが、どんな力があるか詳しくみていきましょう。
まず、梅干しを食べたときに酸っぱいと感じるあの酸味の正体は「クエン酸」と「リンゴ酸」といわれる有機酸です。
二つの成分を一緒に摂取することで、胃液や胆汁液の殺菌作用が増強され食中毒菌の増殖を抑えます。「クエン酸」は梅の実が熟成するにしたがって量が増すので、完熟した梅の実で作った梅干しの方がより効果が高まります。
もう一つ殺菌効果の高い成分が、梅干しに含まれる「ベンズアルデヒド」と呼ばれる芳香性のアルデヒドです。梅酒や梅干しの風味を生成している成分で、微生物の繁殖を抑える効果があります。

梅干しをお弁当に入れる理由は、「梅干しが高い殺菌効果を発揮する」ことと「梅干しが食欲を増進させ消化を助ける」効果があることが最大の理由になりそうです。

先人たちの知恵

梅の起源は中国からの移植説と日本古来の原産地説とがあり定かではありませんが、文献・学者の多くは中国原産地説をとっています。中国では果実の利用が先にあったとされ、日本では梅の花が人々の関心を惹きつけていました。
日本で梅干しが初めて書物に登場したのは、平安時代中頃で、梅干の原型ともいえる梅の塩漬けが記載されています。
鎌倉時代以降、実の多くは食用としての利用が盛んとなり、薬用としても重宝されていました。
戦国時代には保存食や、傷の消毒、食中毒の防止、伝染病予防にも使われました。
江戸時代に入ると、梅干しのしそ漬けが普及し始め、甘露梅や、梅肉エキスの原型のようなものが登場しています。
そして現在では、梅の実は、梅干し、梅酒、梅ジュース、梅シロップや梅ジャムなど様々な形に加工され、日本独自の食文化として根付いています。

梅干しをお弁当に入れると傷まない?

梅干しの防腐効果は、梅干しが触れている食材が腐りにくくなる効果のため、お弁当全体が傷まないわけではないので注意が必要です。保冷剤や保冷バッグと併せて活用するようにしましょう。

お弁当に入れるのはどんな梅干しでもいい?
一口に梅干しと言っても、調味梅干しや手作りのものまでいろいろありますが、その中で殺菌効果を発揮してくれるのは塩分濃度が高い梅干しです。塩分濃度が18%以上あると良いです。
甘味料やアミノ酸が加えられたものだとあまり防腐効果は期待できません。

応用編:梅酢の防腐効果

梅干しを手作りしている人は、梅干し作りの副産物「白梅酢」を活用してみましょう。
白梅酢にも殺菌効果があり、夏場にご飯を炊くときに、米一合に小さじ一の白梅酢を入れると防腐効果が得られます。
また、お弁当の仕上げに梅酢を霧吹きで吹き付けたり、おにぎりをにぎるときに、水の代わりに手に白梅酢を霧吹きで吹きつけてからにぎるという使い方もできます。
梅干しのしそ漬けであがる「赤梅酢」には、赤じその成分も含まれるため抗菌力が高まります。色付けしたい場合は赤梅酢を使うなどお好みで使い分けましょう。

他にある梅干しの効果・効能

・疲労回復を促す
梅干しに含まれるクエン酸やリンゴ酸などの有機酸が、筋肉中のグリコーゲンの回復を促し疲労回復を早める。

・食欲増進/消化吸収の促進
梅干しを食べると多く分泌される唾液は、食欲を増進させるばかりでなく、唾液中の「アミラーゼ」と呼ばれる成分により、胃液やその他の消化酵素の分泌を高めて消化吸収を助けてくれます。
・カルシウム/鉄の吸収を促す
梅に含まれる有機酸がカルシウムや鉄の吸収を促し、体内でのカルシウム定着率を高める効果が期待できる。

・血液がサラサラになる
梅干しはアルカリ性食品なので、体が酸性に傾くのを中和させる効果がある。それにより血液やリンパの流れがよくなり免疫力があがる。梅肉エキスやジャムなど加熱した梅に含まれる「ムメフラール」という成分は血流を改善し、動脈効果や生活習慣病の予防に役立ちます。

・老化防止/美肌効果
梅干しを食べた時に出る唾液に含まれる酵素「カタラーゼ」が、老化やガンの原因になるといわれている活性酸素の一つ「過酸化水素」を水と分子状酸素に分解し、体内で生じる活性酸素の毒素をおさえる働きがある。ポリフェノールやビタミンEなどの抗酸化成分も含まれ、美容効果も期待できる。

紀州の梅干しを一日一粒食べて健康維持

こんなにいろんな栄養成分が入っているとは驚きです。梅干しの力はあなどれないですね。
1日1粒から気軽に食べられるからこそ、積極的に食事に取り入れていきたいですね。

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