梅干しで熱中症対策
夏になると心配なのが熱中症です。暑さにより体温調整ができなくなると体に様々な症状が現れます。特に子供や高齢者、また疲労が溜まっている時にも起きやすいあなどれない病気です。梅干しにはクエン酸が含まれ、疲労回復効果はもちろんのこと、熱中症予防効果も期待できると言われています。
「水分+梅干し」で熱中症予防に効果あり!
熱中症とは、あがった体温を下げるために大量の汗をかくことで脱水症状になることが原因とされています。初期症状は立ちくらみや筋肉の硬直、また頭痛や吐き気、腹痛などの症状が引き起こされることもあります。重症とされる意識障害やしびれなどがある場合は、迷わずに救急車をよびましょう。
梅干しには塩分や、カリウム、マグネシウム、リンといったミネラルが豊富なので、大量に発汗して失われた塩分とミネラルを補うのに最適な食品です。水分だけ補給するよりも、梅干しと一緒に水分補給する方が吸収が早く、体の回復を助けてくれます。
脱水症の改善に用いる経口補水液はナトリウム、カリウム、クエン酸塩、ブドウ糖などの成分で作られています。日本では昔から風邪などの病気の時に梅干しを食べる習慣があり、病気により失われた体液を補うために水と一緒に電解質と糖分を補給することが、ごく自然と行われてきました。熱中症予防に梅干しを摂ることは理にかなっていると言えるでしょう。
「梅干しは何個食べたら良いのか」、「塩分の取りすぎが心配」という方もいるかと思いますが、梅干しは大きさにもよりますが、塩分濃度20%前後の梅干しを、大粒約10gなら一粒で2g程度、塩分濃度10%の梅干しで1g程度の塩分です。総合的に見て摂取量が多くならないようにすれば、心配しすぎなくても大丈夫です。通常1個、汗をたくさんかいた日には2個など、食事とのバランスを考えながら取り入れてみてください。
熱中症は屋外にいるときも、屋内でじっとしている時も、温度や湿度の高さが原因でかかることがあるため、適宜摂取できるようにするとよいです。
おすすめ梅干しの活用法
屋外でも梅干しを食べられるように、密閉容器に入れて持ち運びをすると、水分補給の時に一緒に食べられておすすめです。持ち運びは非常時にも役立ちます。塩分濃度が高い梅干しなら殺菌効果もあるため傷みにくいです。塩タブレット、ゼリー、スポーツドリンクなどと併せて活用するとよいでしょう。
水1000ml弱と、塩分濃度の高い梅干し大1個、オリゴ糖 大さじ4を容器に入れて、梅の味がしみ出すのを待って冷やせば完成です。お好みでハチミツなどで味付けしてもOK。
1.ミネラル豊富で熱中症予防に最適な栄養素がそろっている!
2塩分補給に最適!
3殺菌効果があるため、食事に取り入れやすく持ち運びがしやすい!
1.応急処置として涼しいところに移動する
2.服を脱いで、体内の熱を外に出す。水をかけたり、首や脇の下を氷嚢で冷やす、太ももの付け根を冷やすなど、体温を下げるようにする。
3.水分と塩分を補給する(吐き気や嘔吐をしてているときや、意識障害があるときは口から水分を入れることは避ける。)
4.呼びかけに反応しないなど、意識がない時はすぐに救急車を呼びましょう。病院では、体を冷やす冷却療法が行われます。脱水症状や栄養素が不足している場合、点滴で補います。
身体への気遣いは一粒の梅干しから
熱中症を防ぐには、飲食物での予防もさることながら、日頃の体調管理や、周囲の人への声がけが大切です。環境省と気象庁が令和3年4月下旬から全国を対象に運用を開始した「熱中症警戒アラート」や「暑さ指数(WBGT)」を確認するなど注意を払っていきましょう。特に気をつけたいのが乳幼児と高齢者です。乳幼児は大人より新陳代謝が活発で体温が高く、体外に汗をだす汗腺の発達が未熟のため、体温のコントロールが難しく、より注意が必要です。また、年をとると体内の水分割合が少なくなり、暑さや喉の渇きを感じにくくなります。その他にも、体調が悪い時、寝不足のとき、体内の水分が減っている時には熱中症に気をつけましょう。
昔から、旅人が熱病や風土病にかからないように梅干しを薬として持ち歩いていたことから、「梅干しはその日の難逃れ」ということわざがあります。「朝に梅干しを食べるとその日は災難を逃れる」という意味があるそうです。7月30日は、「難(7)が去る(30)」の語呂合わせで「梅干しの日」となりました。昔から日本人に親しまれてきた梅干しは、優れた健康効果があり、日常の食卓から私たちの健康づくりに役立てられることと思います。